FMおとくに設立趣意書

インターネットによる情報技術が発展を続け、映像を伴う多様なメディアが増加する現在、音声だけのラジオは古いメディアのように思われる。しかし、1925年に日本で放送が始まって以来、根強いファンに支えられ続けてきたラジオは、近年、次の理由によりその価値が再評価されている。

第一に、ラジオは災害に強いメディアということである。阪神淡路大震災、東日本大震災をはじめ各地で起こった大規模な震災や、近年多発する豪雨災害などの際には、ラジオは情報伝達手段として大きな成果をあげ、各地域のコミュニティ放送局はきめ細かな情報と地域内外の声を届けることで人々の支えになった。

第二に、地域社会に対する意識の変化である。従来の働き方が問われる今日、これまで地域への関心が薄かった現役世代の人々においても、地域コミュニティへの参画意識が高まっている。そんな中、地域に根差したコミュニティ放送局には、新たなコミュニティ創出が期待できる。インターネット社会では、個人が情報や文化を社会へ送り出すメディアの主体となったが、コミュニティ放送は地域に関わる全てが主体であり、地域コミュニティの輪を広げながら情報を発信、共有できるのである。

文化と歴史が受け継がれてきた乙訓地域は、経済・文化・スポーツ・音楽など様々な分野で主体となる住民層が厚く、教育機関にも恵まれ多様なコンテンツが埋もれている。この地域の多様なコミュニティが番組づくりに参画すれば、多彩で個性的なラジオ局が生まれるであろう。

我々が目指す乙訓地域のコミュニティ放送局は、住民、学校、商店、企業、団体、行政などの多様なネットワークにより、「にぎわい」、「助けあい」、「交流」、「地域情報」、「学び」、「防災」等をキーワードに番組を作り、幅広いリスナーのための地域に根ざした情報番組や地域紹介番組を放送する。

FMおとくには、地域に暮らし、学び、働くさまざまな人々が、自分たちが支えるメディアだと感じ、その放送機能を自分たちに役立つものとして、自ら参画し、利用しようと思える情報拠点構築を目指し、もって地域社会の繁栄に貢献する。

平成29年3月24日
一般社団法人 FMおとくに